どうも、心の学校アイジーエーのスタッフです。

自分の子供には問題がある。そう感じている親御さんも少なくないはずです。特に、外面的に問題が現れた時に、そう感じることもあるでしょう。実際、私自身も子供に対してそういう母親でした。それが理由で子供は引きこもりにもなりました。今となっては分かるのですが、原因は親である私です。そうだとはずっと分かりませんでした。しかし、その原因が分かってからの息子の変化。私の実体験を元にお話いたします。

  • 落ち着きがないし、うちの子供はおかしいんじゃないのか…
  • 兄弟姉妹はできているのに、この子だけできない…
  • 他の子供と違ってアレができない…コレができない…
  • この子は働けないから問題がある…

問題として挙げれば、きりがありません。小さいお子さんだけではなく、大人になってからもずっと、子供の問題として認識している。しかし、それは本当に子供の問題なのでしょうか?育て方の問題とか、教育の問題と言っているわけではありません。子供を問題視しているのは誰でしょうか?それは、親御さん自身ではないでしょうか?過去のわたし自身がそうでした。
兄弟姉妹や他の子供と違うから問題があると思っているだけで、本当は何も問題がないのだとしたらどうでしょうか?

いや、でもうちの子供は…という気持ちもわかります。わたしもずっとそう思い続けてきました。

でも、自分が問題と見ているだけで、本当は子供には何も問題がなかったとしたら、問題のある子だと今まで思って、何かをしてしまったり、言ってしまったり。そういったことが、本当は子供を一番傷つけていたのではないでしょうか。

わたし自身、自分の子供に問題があるという烙印をずっと押し続けていました。いろいろなことを言ってしまったり、してしまったりしました。そうしたことで、子供がひきこもりになり、親子としての関係も一度は最悪になってしまいました。しかし、あることをきっかけに、子供には問題がない。と思えたことで、そういった状況が変わりはじめていきました。今回はその時の話しを書かせていただきたます。

悩みや苦しみは十人十色。まったく同じ悩みというのはありませんが、似たようなことにお悩みの方の参考になればと思います。

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わたしの息子のこと

わたしには、子供が3人います。娘2人、息子1人です。「長女、長男、次女」という順番です。娘二人は反抗期もありましたが、たくましく自立して、結婚して家から離れていきました。
真ん中に挟まれた息子は、小さい時から頼りなくて、いつも私と手をつないで歩いているような子でした。小学、中学生の時には、いじめにもたくさんあっていたようです。

中3の時にストレスで、難病の潰瘍性大腸炎で入院しました。卒業式にはなんとか出席しましたが、入院中ずっと点滴で食事はほとんど取っていなかったので、痩せて学生服がぶかぶかでした。

息子の希望で高校は、自主性を重んじる自由な学校に進学しました。通学に1時間半以上かかる所でしたが、本人は張り切っていました。部活動にも積極的でした。新聞部、英語劇部に入り、楽しんでいたように見えました。

順調にと思っていたところである出来事が

高校を卒業し、小さい時から絵を描くことが大好きで、専門学校のアニメーション科に進学して、卒業後アニメーターとして仕事を始めました。そこでも頑張っていましたが、人間関係が上手くいかず辞めてしまい、家でイラストや漫画を描くようになりました。

それから、ひきこもりになってしまい、外との接触も少なくなり、顔もだんだん険しくなってきました。息子に聞くと、ネット上で、色々と中傷の書き込みがあって、気にしているようでした。

その時わたしは週3日のパート勤務をしていました。パートの仕事が特に楽しかったわけでもなく、子供3人の学費、家計の足しになればと思って、働いていました。もし、わたしが専業主婦で、24時間ずっと息子と家にいたら、お互いに息が詰まっただろうなと思います。

それでも、家に居る息子の事が気になり、色んな忠告や、余計なことをしていました。
例えば、「もうちょっとちゃんとしゃべって」とか、病気の事も気になっていたので、「刺激物は食べない方が良い」とか、アルバイト先を探すんだったら、「こういうところに載ってるよ」とか言っていました。また、息子に頼まれもしないのに、息子の衣類を買ってきたりとか、体を治すための本を買って渡したり。

息子のことをどうにかしたい思い

2011年震災後まもなく、息子が今までにない形相で、私と主人に食ってかかりました。

今思うと、優しい息子の精一杯の反抗期が突然やってきたのでした。地団駄を踏んで、必死で怒りを抑えている様子で
「俺がこうなったのは、全部お前らのせいだ!俺のこと馬鹿にして!お前らはこれなんだ!読んでみろ!」と「毒になる親」という分厚い本を渡されました。

私はその本をすぐ読み始めましたが、息子が言った意味が全くわかりませんでした。きっと息子は妄想で、少し頭がおかしくなったに違いない。何か良い病院はないか、息子を治してくれるところはないか、探しました。
精神病院だとか、診療内科だとか、○○道場とか気になりましたが、ちょっと違う気がして連れていけませんでした。逆に、息子の方から、お母さんは、愛着障害だ!○○障害だ!と言われる始末です。息子の部屋を覗くと、発達障害関連の本が何冊か置いてありました。

後になって、息子が自分で見つけてきたカウンセリングルームに3回ほど通いましたが、あまり変化はありませんでした。
それから息子は、私に反発して、私が作った食事は一切食べなくなりました。日に日にやせ細り、目つきだけが、きつくなってきました。

わたしが変わったきっかけとは

そして、半年ぐらい経った頃、昔の知人から、サンタ営業という言葉を聞き、面白そうと思い、ネットで調べました。そして、サンタ営業の運営元である心の学校のホームページで、「うつや引きこもりで悩んでいる方へ~」という文字が飛び込んできました。わたしは、藁(わら)をも掴む思いで、これで息子は治ると思い、説明会に申し込みました。

息子に受けてほしいという思いで、息子を誘いました。絶対来ないだろうと思ったのですが、思いがけず、ブスッとした顔でついてきました。

でも、会場に入るや否や、「こんなとこに1分たりとも居たくない!」と血相を変えて一人で帰ってしまいました。

残されたわたしはとにかく、頼れる所はもうここしかないという思いで、お話を聞き、カウンセリングを受けました。そこで、カウンセラーさんに「お母さんが変わることが1番ですよ。」と言われたわたしは、よくわからないけど、息子が少しでも楽に生きられるようになればと思い、心の学校のセミナーを受けることにしました。

息子からのメッセージ

セミナーは二日間あったのですが、本当の自分に出会う中で、わたしは、息子がわたしに訴えていた事がやっとわかりました。今まで、どれだけわたしの言葉、態度で息子を傷つけてきたか、息子が苦しんできたかが、わかったんです。

わたしは、息子のことをいつも「問題がある子」として見ていて、娘達と比べては、せめて人並みになってほしいと思っていました。それが息子をどれだけ追い詰めていたかがわかりました。

息子から渡された「毒になる親」という本を読んだ時は、「アルコール依存の親」「虐待する親」に目がいって全然当たっていないと思っていたのですが、息子はわたしから、コントロールされている、「自分はダメな人間だ」とずっと思わされて育ったんだと強烈に感じて、この本の後押しで、過去にけじめを付ける必死の覚悟で親に食ってかかってきたんだなという事がわかりました。自分はダメな人間なんかじゃない!という心の奥からの叫びでした。

わたしは申し訳ない気持ちで、家に帰って息子にあやまりました。息子は何も言いませんでしたが、その日から少しずつ、わたしのご飯も食べるようになり、あまり多くは喋りませんが、少しずつ話もできるようになりました。

わたしもつい、言ってしまいそうになる言葉を飲み込んで、とにかく息子の話を聴くように務めました。息子は口下手で、言葉があまり出ないのですが、自分の興味のあること、例えば、ゲーム、アニメの事になると、熱心に話してくれました。

現在のわたしと息子の関係

息子は2年半前に一人暮らしを始めました。息子は一人で、部屋を探して全部自分で手配して引っ越して行きました。通院の関係で同じ区内に住んでいますが、ほとんど連絡も途絶えていました。

たまたま、去年の8月の息子の誕生日に電話したところ、久しぶりに会えて、ぎりぎりだけど何とかやっていること、親元から離れて、後ろめたさがなくなり、体調もいいと話してくれました。ちょうど夏休みで帰ってきていた長女、孫も交えて和やかな誕生会となりました。

また、今年になって相談したいことがあるんだけど、と言ってきました。仕事はイラストと漫画を描いているのですが、確定申告の手続きがよくわからないと。そんなことを息子の方から言ってきて、私を頼ってくれたことがとても嬉しかったです。

わたし自身にも変化が

息子だけではなく、わたし自身にも変化があって、本当の自分に出会うまでは、どちらかというとネガティブな性格で、人と接するのが苦手でした。いつも人の目を気にしていました。今は、営業の仕事をしていますが、お客様のお話を聴くのが楽しいですし、お客様がどんどん元気になられるのが、嬉しい日々です。そして、生きるのが楽になりました。前は人と会うと緊張していましたが、今は自然体で居られるので楽になりました。

まだ見ぬ自分の発見もあり、60才過ぎて、自由で好きなことをやらせていただいている幸せを感じています。

問題ではないのに問題としてしまったこと

以上がわたしに自身に起こったことでした。
子供には問題がないのに、問題として見てしまったわたし。もし、このことに気づかなければ、今でもわたしは子供のことを「問題のある子」として見て、子供のことを傷つけ続けていたことでしょう。

例えていうなら、月には、満月や三日月があります。満月であれば、月は奇麗に丸くみえます。では、三日月の時はどうでしょうか?月が欠けて丸く見えません。ですが、実際に月が欠けているわけではなく、影に隠れて月が欠けているように見えてるだけなんです。実際には、月はいつも奇麗に丸く存在してます。

月と問題は同じで、本来は問題がない(満月)のはずなのに、問題がある(三日月)というように見えていただけなんです。実際に息子は、いつも問題なく奇麗に丸く存在していたにも関わらずに、問題があると、影のかかった三日月のように見てしまっていたのです。

もし、わたしと同じように、子供に問題があると見ている方がいらっしゃれば、問題はないと思ってみてはいかがでしょうか?そこから何かが変わりはじめるかもしれません。