天職とは、その人にふさわしい職業と言われています。適性のある仕事とは別とされ、その人が本当にすべき目的や使命に出会い、それを活かすのが、天職と言えるでしょう。
天職を探すため、転職を繰り返したり、いろいろな方法を試してみたりする人もいます。どの仕事をしても何かうまくいかない。それはきっと天職ではないからだろう。と思ったりする人もいるわけです。
自分では、こういうことがやりたい!もっと楽しいことがしたい!子供のころからこういうのが得意だから仕事にしよう。楽しい職場が良い!人間関係がうまく築けないから、一人で働ける仕事がしたい。
こういったいろいろな想いや自分のやりたいことから天職を探していくのですが、なかなか巡り合えるものではありません。天職なんてない!という人もいます。
自分のやりたいことや、想いと天職が一致しているなら見つけることは容易なのかもしれません。
しかしそもそも、自分のやりたいことや、自分の心の中にもなかったことが天職だとしたらどうでしょうか?
自分では思いもよらないので、なかなか探しだすのは困難です。
そういった本当の天職に出会うのが、容易にできる方法があるとすれば、みんな天職に就けて幸せだと思いませんか?
とはいってもそんな方法はあるのだろうか…と思うかも知れませんが、実際に、本当の自分に出会うことで、自分の天職を見つけられた方がいらっしゃいます。
元々はクリエイター希望だったのが、医院でカウンセラーとして活躍。このことがきっかけとして天職に出会うことになり、現在も当グループのスタッフとして働いているNさん。
今回はそんなNさんの体験談をお届けさせていただきます。
悩みの解決はプロにお任せ
クリエイターを目指すがうとつ状態に
10代の頃から、漠然とクリエーター職に就きたいと思っていました。
例えばグラフィックデザインや小説家、映像作家などといった職業です。
なぜそういった仕事に就きたいと思ったかと言えば、それは、自分のアイデアを形にするのが好きだったことと、人付き合いが苦手でしたし、いわゆる普通の大多数の人たちと感性が違って、一般的な会社や公務員は向いていないと思ったからです。
ファーストフードや引越しなどのアルバイトもしましたが、居心地が悪くて自分の居場所を見つけられず、家庭の問題なども手伝って体が動かなくなり、バイトすらできないようになっていましたので、将来への不安が募っていました。
クリエーター職を目指して入った専門学校も、うつ状態で出席日数が足りず、補習を受けてギリギリで卒業後、嫌々ながら地元のテレビ局に勤め始めました。
カメラマンのアシスタントとして入ったのですが、嫌な予感が的中して仕事内容も人間関係も自分に合わず、うつ状態に拍車がかかって5ヵ月ほどで退職。
とにかく職場では孤立していて、家庭にも友人にも相談できる人はいませんでした(今でも、これから書く方法以外では当時の状況は相談しても解決不可能だと思います)
しかし、それはまだまだ序の口でした。
天職を見つけようと転職を繰り返してみたものの…
カメラマンのアシスタントは薄給だったので、どうせ仕事をするということは嫌なモノであるなら、給料だけを目当てにしようと求人誌の営業マンに転身しました。
それなりに名の通った会社で最初こそ良かったのですが、会社の方針と、一緒に働いている人の大多数と感性や意見が合わず、とにかく仕事をしたくなくて、ある時はあまりの辛さに頭が何日もボーッとして、気がついたらお客様とのアポイントをすっぽかしていたりと、かなりおかしくなっていました。
それからも、もっと自分を向上させられるはずだ、ふさわしい道があるはずだ、天職を見つけようと必死に転職を繰り返すのですが、パワハラやリストラに遭い、ピッタリくる仕事も自分の居場所も見つけることはできず、それはそれは苦しかったです。
上司との人間関係がうまく築けない
会社の上司には「なぜ私の言いたいことがわからないんだろう?」「この人たちは何を言っているんだろう?」と、疑問符ばかりでした。
しかし、大の大人が大多数で声をそろえて言うので、私が間違っているのかも・・・と思えてくることもあり、とても苦しかったです。
例えば、業績についても売上金額の話しかせず、それを買っていただけるお客様の視点を抜きにして延々と「売上げを上げろ」といった話ばかりしていて、「経営陣も、営業部部門の責任者も、その指示を鵜呑(うの)みにしている中間管理職も、頭がおかしい」と思っていました。
上司や社長たちとの関係は、たいがいがうまくいかなかったです。納得できない指示を受けても、情けない話ですが、表面上ではYESと言って、心の中でNOという状態にするしかないですし、本当に納得できなければぶつかるしかありませんでした。
上司などの相手に求めても無駄なので、相手の事を「なんてバカなヤツなんだ。これで人の上に立とうというのか?」と思って、嘆いていました。
また、自分のやり方で部下と接していた時は関係が良好だったのですが、板ばさみに我慢の限界が来て、上司のやり方通りに部下と接したら、部下とも関係が悪くなりました。上とも下とも関係が悪くなって、会社で孤立していきました。
解決策を求めて勉強や行動をする日々
誰も私の悩みを解決する手段を持っていないし、相談してもわかってくれようとすらしないのがショックで、相談しても無駄なのだとわかってきました。
辛かったですが、その反面、絶対に何か方法はあると、その予感だけは持っていました。
これは自分で解決するしかないと、自己啓発書を漁るように読み、その手のセミナーに行きましたが全然ダメでした。
他にも、森や滝に行ってマイナスイオンで癒されようとしたり、市民プールに通ったり、スノーボードで大自然との一体感を求めたり、イルカと泳いで癒されるというドルフィンスイムにも行きました。精神世界や宗教の本、聖書を読んだりしました。
お香を炊いてみたり、神社仏閣のパワースポット巡りをしたり、不安を解消しようと医者にも行きましたが、根本解決にはなりませんでした。
他にはヒプノセラピーに行ったり、メールカウンセリングを受けたりしました。心のことを学べば何かの突破口になるかと思い、心理カウンセラーやコーチングの資格を取ったりしました。
ついに答えに辿り着く
リストラにあい、自分の人生を好転させる何かを求めて、ネット検索していた時、心の学校のHPに行き着きました。その時、ものすごく興味は湧いたのですが、動画に出ている講師の人が怪しいと思っていったん一旦スルーしました。
その後、新しい仕事が決まったのですが、その会社の取引先に心の学校があり、怪しいと思っていた講師の方と出会って話を聞く機会がありました。「やっぱりすごい話だ。これかも知れない!」と思い、受講を決めました。
そうしたら、求めていた答えが即見つかって、本当にびっくりしました。上司や社長と関係が悪かったのは、父との関係の悪さがそのまま年上の方々との関係の悪さにつながっていたのだとわかりました。
心の問題の原因
父は地方の方言丸出しで、アルコールに溺れ、私は子どもの頃、ガンガン怒鳴られてたたかれて、心をメチャクチャにされてしまいました。
50代で仕事ができなくなった父は、うつのようになっていました。私は父を情けない男、ダメな男だと思っていましたが、とんでもない勘違いでした。父からとてつもない愛を受けていたのがわかりました。
私にとってすべての元凶で憎んでいた父が、大好きな存在になりました。本当の自分に目覚めてから、父への感謝でずっと心が満たされています。
自分が抱えていた心の問題は、父母から受け継いだものだと思います。
その父母も祖父母の、そして祖父母もさらにその上の両親の影響を受けているので、これは私ひとりの問題ではなく、過去を含めた一族全員、もっと言えば全人類の問題だと思います。
あえて言えば、人間の愚かさが原因と言えるかも知れません。でも、そのおかげで本当の自分に目覚めることができました。これからは全人類が本当の自分に目覚めるしかないと思います。
親子喧嘩のような1対1のケンカも国同士の戦争も、原理は同じです。
自分が正しい…相手が悪い…そのステージで考えてしまうと解決策はなかなか見いだせません。そこから抜け出すことが、本当の幸せへの道だと思っています。
心の問題が解決し人間関係が変わった
昔の自分は、本当の自分のすごさをわからせてくれる比較対象として本当に有難い存在です。
かつての私は、原因不明の無気力で、疲れやすく、自信がなく、異性が苦手でなかなか恋人もできませんでした。とにかくあらゆる仕事が嫌で、会社になじめませんでした。
でも今は、どうやって生きたらいいのか、何が自分にとって大事なのか、この人生を終えるまでに一体何をすべきなのかが見通せているので、生きるのがすごく楽になりました。さらには、本当に自分がやるべき仕事に全身全霊で身を投じることができ、本当に幸せです。
誰とも話が合わないと思うことが多い人生でしたが、今では、同じく本当の自分に目覚めた友人たちがたくさんできて、愛してやまない人たちと過ごす時間がとても楽しいです。
そして、別に本当の自分に目覚めていないとしても、地球上のすべての人たちが自分を磨いてくれる協力者のように感じます。
私を本気にさせてくれ、私の潜在的な能力を無限に引き出してくれる、立派な人たちだと心の底から思えるようになりました。
他にも、大好きな人はより大好きに、苦手な人はだんだん大好きに、そして「これは受け入れられない」と感じる人さえ、私のことを命がけで鍛えてくれる尊敬すべき師のように捉えることができるようになりました。
探し求めていた天職に巡り合う
父から受けていた愛は私のなかにもあり、宇宙全体に、無限に、永遠に存在していました。地球の裏側で水面を飛ぶトビウオが見えました。
その魚と私は、同じひとつの命でつながっている。全人類、全生命がつながっているという、この世の真理がわかりました。
本当の自分に目覚めた一瞬で、かなりのことがパッとわかりました。本当は、答えは最初から自分自身にあったのだ。それを、理性の働き、過去の記憶の働きが強すぎて、本当の自分のことがわからなくなっていたというメカニズムまでわかりました。
そして、自分の天職が見えてきました。この「本当の自分」に、多くの人が目覚めていただく。それが自分のやるべきことだとわかりました。
私はうつでしたが、もはやうつの「う」の字もありません。
本当の自分に出会うためのカウンセラーの資格を取って、精神科で4年間、カウンセラーとして働き、多くの方のうつ治療に貢献することができました。
一番嬉しいのは、私と同じようにうつだった方々が、本当の自分に目覚めてカウンセラーになり、今度は私の知らないうつの方々の心を癒すという大活躍をされていることです!
自分が変わって、世の中まで変わってしまうのが本当の自分に出会うことのすごさだと痛感しています。
これが本当に私のやりたいことであり、天職です。自分が成すべき仕事がすっかり見通せるようになったのがすごいです。
これは、就活する学生さんたちにも知ってほしいし、受けてほしいです。
どんな会社で働くべきか、自分が本当はどうしたいか、後悔しない人生が何なのかがわかります。私のように、天職を探して30年もかけてほしくありません。その時間をゼロに近づけることも、私の仕事のひとつだと思っています。
天職を探す方法
以上がNさんが天職に出会った時の体験談になります。
自分がやりたいことをやっていても、人間関係などの外的要因によって阻まれてしまうことがあります。しかし、外にあると思っていた問題が、父親との関係で自分の中にあったのです。
それが分かり、人生が楽になって、天職まで見つかりました。
天職を探すために何かをしたり、解決策を求めたり、いろいろ試行錯誤をしている方々がいらっしゃると思いますが、一番早く天職を探す方法というのはなんでしょうか。
一番最初に書いたように、天職とはその人が本当にすべき目的や使命を活かすことです。人生の目的や使命を知る一番の方法は、本当の自分に出会うことになります。
自分が何をすべきか、すべきことはわかってるけどうまくいかないなど、天職をお探しの方は、ぜひ本当の自分に出会ってみてはいかがでしょうか?