本当の自分と出会うためには、なにか新しいことをインプットしたり、なにかを覚える必要がないことは何度も書いてきました。心の奥に「本当の自分」が存在している。それも皆様ならお分かりいただけていることでしょう。

しかし、その存在する「本当の自分」とつながるにはどうしたら良いのか。その方法が分からないという方もいらっしゃると思います。

「本当の自分」を体感する方法には、前回ご紹介した「人生全体から見る方法」ともう一つ、違う角度からのアプローチがあります。次に空間的全体から本当の自分とつながるがる方法についてお話しします。

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あなたは今どこにいますか

あなたは、今、どこにいますか。たとえば、私は東京の門前仲町の事務所にいます。

ですが、東京都にいるのも車実です。日本にもいる。世界にもいる。地球にもいる。そして、究極的な捉え方としては宇宙にいます。

どれも正しいのですが、視点を置く次元を変えると見方が変わるのです。

次元というのは、空間的な高さと捉えてください。たとえば、宇宙にまで伸びたエレベーターがあったとして、それに乗って上がっていけば次第に次元が高くなり、「どこにいるのか」という問いへの答えも変化するわけです。

そして、このことは、私たちの意識にもあてはまります。

私たちはどの次元を意識するかによって、物事の見方、発想がまったく変わってきます。高く上がれば上がるほど広く見えます。そして、一番高いところからは全体が見えるのです。

「あなたが日々の仕事をする上でも、それは何のためなのか。自分の給料のためなのか、家族のためなのか、会社のためなのか、お客様のためなのか、業界のためなのか、地域社会のためなのか、日本のためなのか、地球のためなのか、宇宙のためなのか、といろいろな次元があります。

そして、どう捉えるかで、出てくる発想が変わるのです。

高い意識から見ればわかること

では、最も高い次元はどこでしょうか。それは、宇宙の次元です。

もっとも高く完全な次元です。この次元の意識、すなわち宇宙意識。宇宙意識の次元から見ることで、物事の全体、そして完全さ、完璧さが見えるのです。

精神世界に関する本の中には「すべては完全で完璧に起きている」と教えるものもあります。

ですが、自分の人生における汚点、辛かったこと、許せない人など、そう思おうとしても思えるものではありません。

しかし、そういった人生における不完全だと思っていた数々の出来事は、今までの経験の記憶により形成された不完全な心で捉えた出来事であって、完全から見たら、まさに財産としか思えないのです。

今までの出来事の何一つ欠けても、今の自分はない、かけがえのない完璧で完全なものだという事実が魂の底から感じられ、はっきり見えるのです。

「なぜあんな嫌なことが起きたのか」という思いは、そのように「嫌なこと」だと捉えている心では決して変えられないし、消せないのです。

しかし、あなたが最も高い完全な意識に入った瞬間、どんなに悲劇的に思えていた出来事も全体におけるその意味、つまり完璧さが見え、その出来事に対する感謝の気持ちがあなたの内側から湧き出してくるのです。

不完全から完全を見ようとする過ち

よく、宗教団体などでは、悩み苦しみ、波立った私たちの不完全な心で、救いを求め、そして外に神仏をつくり、それを一生懸命拝んだりしますが、なかなか救われないことが多くあります。

それは、不完全な人間の心で、完全な神仏を見ようとしているからです。

不完全な心で完全を見ようとしたら、完全なものまで不完全に見えてしまいます。ちょうど、曇った眼鏡でものを見ると、どこまでいっても曇って見えるのと同じです。

不完全から完全が見えるわけがありません。完全から見たら、不完全に見えていたものの完全さが、見た瞬間にわかるのです。

宇宙意識から空間全体を見る

空間的全体から本当の自分を体感し、開発するこの手法は、私たちの意識を一番高い次元、つまり、宇宙意識といった高い意識まで一気に上昇させ、完全なる神の視点からすべてを見ていきます。

自分、家庭、会社、仕事、日本、世界、地球、宇宙など、あらゆるものを最も高い意識から見ていきます。

果たしてそんなことができるのか。これができるのです。なぜなら、もともとあなたの「本当の自分」とは、その宇宙意識といえる高い意識に他ならないからです。あなただけでなく、全人類が本来、この意識なのです。

そして、この意識に入ったとき、あなたは一点の曇りもなく自覚します。自分と宇由とは一体。すべてはひとつ。もともとひとつ。まさに宇宙を自覚するのです。もともと宇宙意識があなたの本体であったことに気づくのです。

全体がみえる視点

意識次元と言っても、あまりピンとこないかもしれません。いったい何をもって意識が高い、低いと言うのでしょうか。

意識が高い低いというのは、全体で見ているのか、目の前で見ているのか、ということです。

たとえば、火事が起きたとき、目の前でそれを見ている人と、全体を見渡せる高いところにいる人とでは、どちらが的確な判断ができるでしょうか。

目の前で火事を見ている人は、目の前で火事になっている家にばかりこだわってバタバタ慌てながら、火が移りそうな隣の家まで見えていないかもしれません。

全体が見えれば、その見えるところで判断できるようになるのです。意識が高いというのは、より全体像から見て判断できるということです。

ぶつからない世界

もうひとつ別の例を挙げましょう。

たとえば、日常生活で頻繁に人間関係のトラブル、ぶつかり合いがある人がいたとします。

しかし、その人が意識次元を上げると、人とぶつからなくなるのです。

これはちょうど、飛行機が低空飛行していると、家にぶつかるようなものです。

ぶつからないようにテクニックで合間をうまく切り抜けていく人もいますが、そうではなく、次元上昇して、もっと高く飛べば家にはぶつからなくなるのです。

しかし、今度はビルにぶつかります。もっと高く飛べばビルにはぶつかりませんが、山にぶつかります。

そして、さらに高く飛ぶと、ビルにも山にも何にもぶつからない、自由な世界があるのです。それが高い意識次元から見た世界です。

そして、あなたの意識がさらに次元上昇していくと、あたかも大気圏を突き抜け、宇宙空間に飛び出し、エンジンさえいらなくなるような世界があります。

まさにすべてと一体になり、その中で動かされるようにすべてのことが自動的に解決されていくような世界を味わうのです。

もともと高い宇宙意識次元を持ち合わせている

次元を上げて、高い意識次元から物事を見るといっても、少しずつ上げていくわけではありません。

たとえば、修行して上げていくようなものではないのです。

なぜ、あなたが宇宙意識の高みにまで上れるのかといえば、それはあなたがもともと宇宙だからです。

そのことに気づくだけなのです。宇宙に「なる」のではなく、宇宙を「自覚する」のです。

それは一瞬で起こります。ちょうど、山に登るときに、一合目から足で登っていくのではなく、ヘリコプターで一気に山頂に降り立つようなものです。

後から作られたものは一瞬の内には出てこないとしても、もともと内在しているものは、一瞬にして表面化しても何ら不思議ではないのです。

※このコンテンツは当グループ代表佐藤康行著書「ダイヤモンドセルフ」をアイジーエーサイト特別版としてお届けしております。